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独特なタッチと雰囲気の漫画家、西原理恵子さんの自叙伝
「ちくろ幼稚園」「ぼくんち」「毎日かあさん」など独特なタッチの漫画を描く西原理恵子さん。

この本のタイトルは「カネの話」ですが、実質的には西原理恵子さんの自叙伝です。

分量は237ページ、所要時間は2時間弱で五章構成です。


内容は、高知の貧しい漁師の家に生まれた西原さんが、高校を退学になり

上京してイラストレーターになり、必死で仕事を得て現在に至るまでを記しています。

随所に、生活に不可欠な「カネ」の話が絡められ、カネがない「負のループ」にはまった人間が

そこから抜け出すことの困難さが伝わってきます。キレイ事は全くと言っていいほどありません。


彼女の漫画から伝わってくる、毒のようなものの底流にあるものが分かったような気がします。

西原さんの漫画や、彼女の影響を受けたとされる倉田真由美さんなどの漫画、

「スラムドッグ・ミリオネア」（映画）などを好きな方におすすめします。

資本論、経済論などを読みたい方にはおすすめしません。

投げやりにならずに、人生を信じた人。
サイバラさんとの最初の出会いは「まあじゃんほうろうき」でした。

もう、随分前です。物凄くシンパシーを感じました。

役満ダンス、負けが込んで鳥になるところ、それに幾ら負けても今日は勝てると思っているところですね。

私も、麻雀の深みに嵌っていましたので、我が意を得たり、という気持ちでした。

それ以来、サイバラさんの本は折に触れ読ませていただいています。

この本は、これから世の中に出てゆこうとしている若い人たちに書かれたものです。が、これを読んで、気持ちを揺さぶられる人は大勢おられるでしょう。

ハングリー精神、ということを以前は日本でも良く言われました。貧しさから抜け出して成功を収める偉人伝など以前はよく読まれていたと思います。

最近、殆ど死語になってしまっていましたが、ここに書かれたものは、そのことです。

スラムで暮らすアメリカの黒人が金持ちになることを夢見ますが、現実が如何に厳しいかも、よく描かれます。

最近のアメリカ映画「プレシャス」なんかもその一つでしょう。

日本でも同じような状況はあるんです。ただ、日本人は世間体を気にするので、貧しさを語らない人が多いんじゃないでしょうか。

サイバラさんの対談などでの発言を読んでおりますと、迫力といいますか、肝の据わり方といいますか、凄いものを感じます。

その理由がこの本を読んで理解できました。後戻りできないところで、生きてきたんですね。

そして私が感じたのは、サイバラさんは、人生を、世の中を信じた人でもあるんじゃないかな、ということです。

最近、お金との正しい付き合い方を書いた本が出版されるようになりましたが、この本もその中の一冊に成るのではないかと思います。



題名と内容がちょっとちがうかな
はっきり言って、金の話・・・ではない。簡単に言うと「どうやって、この今の幸せな私が成りあがったか・・・」という本です。作者と私が同年代ということもあるかもしれませんが子供のころに感じたことやまわりでやっていたこと、学生時代、そして仕事に対する考え方などほとんどといっていいくらい似ています。そして言いたいことも、私が本を書いたとしてもこうかくだろうということがかかれています。つまりまったく同感なのです。星２つというのは良くなかったから・・・ではなく読まなくてもわかっていることだったからです。時代的なこともあるでしょうが子供に読ませたいといわれている読者の方の気持ちはわかります。でも私自身おもしろかったかというと？？？です。