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FX短期売買の教科書
松田 哲
FX短期売買の教科書
おすすめ度:



どうなんでしょう。
入門者です。

著者に関してはよく知りませんでしたが、短期売買の教科書と思い購入


他の方のレビューに書いてある通り、いろいろな分析を駆使するわけではなく、

チャートから売買のポイントを読みとる事が書いてあります。

他の事は書いてありません。


ファンダメンタルやテクニカルに関して知りたい人が読むような本ではありませんが、

一年生がチャートに線を引っ張る事を知るにはいい本だと思います。

※もっと深い意味があるのかもしれませんが、私のような入門者にはそう理解できました。


ちょっとうれしいのは、実践例(著者とは違う人)とその解説が後半に記載されている事です。


他の人の買い方等を垣間見る事が出来ました。

事前にそれなりの投資知識を持っていれば良書になるかも
教科書と言うだけあって、構成はそんな内容(笑


参入したら、ストップとリミット(利益確定額)を決める、というのが基本方針である。ゆえに、これを正当化するための説明文がかなり多い。つまり、この手法を否定する人にとっては、この本はしっかりと情報を選別していかなければならない、ということだ。


もっとも特徴的になっているのが、勝率を高めることをすすめている点だ。売買成果が損切り同様限定されてしまうため、プラスを維持するためには勝率を高くしなければならない。これは、トレーディングにおける「勝者は勝率が低い(平均30%程度)」とする理論に反する。同書では50%以上の勝利維持を目標としろ、としている。


行動ファイナンスの「損失回避論」について言及している。これは書籍の中では珍しい。

儲かると不安になり、損すると開き直る。

人を動かしているのは、得たものを失いたくないという不安や焦りと、失ったものをいつまでも忘れられない未練や執着心。ゆえに「こつこつ儲けて大きく損する」のである、と。


勝率アップのためのトレード記録を残す、としているが、その方法は書かれていない。やや無責任。大事なところだと思うが。そのTIPSとなるのは、ひとつは5章の実際のシュミレーションだろうか。同氏がどういった背景でしかけたか、手仕舞いしたか、ということを書いている。これはそのままトレード記録と言えるのだが、教科書としてこの本を読む人がどれだけそれに気づくかは、疑問である。


分析はトレンド分析が中心である。その理由を同書は「みんなが注目するから」とはっきりと説明している。参加者が多ければ多いほど、法則性に従った動きになりやすいからだ。投資家の心理が先で、チャート分析はその結果でしかない、という持論もうなずける。


トレンド分析のTIPSは200日移動平均線。これは参考になった。


4章のファンダメンタルズについては、取ってつけたような内容。それぞれのイベントについて、過去までさかのぼったパフォーマンス比較や検証は具体的に行われていないので、著者の経験と勘による文章であると見て取れる。


5章のシュミレーションは、売買推移を体感できるが、詳細を見ると、ちょっと「?」というようなものが多い。具体的には売買ルールの詳細があいまいではないか、と感じるものが多数ある。


たとえば、利益確定のタイミング。「急落してきたから成り行きで確定した」というような理由は、許されるのだろうか?1/3下がったら、とか、半値押しになったらとかならわかるが、勘による裁量トレードであることがはっきりばれてしまう。散々説明したルールや分析手法はどのように活かされてきたのか?


ブレイクラインの設定も、かなりあいまいだ。日足をベースにしていても、実際は日中足を見てトレードしていて、だから日中足のチャートを示されても、かなりとんちんかんなポジションで損切りや参入が行われている。このあたりの「差異」は、トレーディングレポートそれぞれの冒頭でどのようなルール設定にするか、という簡単なリストをあげると納得がいくのだが、それがされていないから、読者はまずそれぞれの売買でルールを明確にしなおすべきだと思う。



短期売買ブームに乗って書かれた本という印象
安易にタイトルから判断しないほうがいいです。

短期売買ブームに乗って出版社に依頼されたから書いたという感が否めません。

最近は短期というとスキャル的(スキャルまでいかなくても1日1トレード以上とか)な売買を想像する方が多いと思いますが、この本はかなり中期よりの短期売買です。確かに表紙を良く見ると「デイトレ?スイング」と書いてあるので、そんなに間違いではないですが。

著者は本書の中で、スキャル派を鼻で笑い、チャートはどんなに短くても時間足だと言っています。しかも時折、月足で数年スパンのデータまで解説に使われています。前作も読ませて頂きましたが、その本も日足を中心に解説されています。著者は短くてもスイング、中長期中心のトレーダーだったのだなと思います。この内容で短期売買の教科書と銘打っていいものか、甚だ疑問を感じます。

また、前作同様、内容もチャートと本文がページをまたがっているものが多く、加えて説明文が長く非常に読みづらいです。


しかし、短期売買という銘をはずせば、悪くない本です。

2009年2月くらいまでのチャート(当然のように日足)に関する著者観点からの解説と今後の展望があり、初級?中級でこの時期に実際にトレードをしていた人には参考になることも少なくなく、私も興味深く読ませてもらいました。裏を返せば、時間が経てば価値が半減とも言えますが。

あと、編集者が2009年上旬に実際の売買した内容に対して著者がコメントするってもちょっと面白いです。


短期売買を目的として買ったため最初は怒りに近いものを覚え、星1つって感じでしたが、短期向けであることを忘れてしまえば、面白く読ませて頂きました。したがって星3つ。

繰り返しますが、安易にタイトルから判断しないほうがいいです。


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